2025年10月より。
いつまで経っても過去記事を更新出来なかったので、保留していた。
投稿順をどうしても時系列にしたかったらしいよ。
2026年より。無理矢理公開。
改めて2025年の感想を見てると、時期によって書き方が違うね。
要は迷走してるな。
少女兵機記録
C106で購入(発売自体は2015年ですが)
プレイ時間は6時間程。3つの短編集。
多分…ポストアポカリプスものになるのか?
タイトル通りだし少しネタバレすると、人類がとっくに死滅して機械だけがドンパチやってる世界の短編集。
その世界観に浸り、体験出来たのが1番の収穫かもしれない。
詳細
陸の章から始めたら第3話!!!とか出たから、慌てて恐らく1話であろう空の章から始め直した。
1(空)→2(海)→3(陸)話の順番でやった方が、設定開示に違和感はないと思う。
けど、敢えて2話や3話からやっても問題は無いし、見える景色も異なってくるだろうな。
惹かれたテーマから順に進めるのが幸せになれると思うよ。
「無駄に緻密な」(誉め言葉です!!)用語や言及に耳を傾けながら…私たちとは全く異なる常識を持った機兵達の世界を楽しむ事こそが、このゲーム最大の評価点。
「考えるだけで電圧が下がる思い」なんて正に兵器だからこその比喩だと思う。いいよね。
ルビの振り方も良い。瞼を軽く閉じるとか。
と、ここまで書いたけど。他に何を書こうかなぁ?
世界観云々は嘘ではないけど、それ以外が中々浮かばない。
(因みにつまらなかったから浮かばない、訳ではないですよ)
これで終わりは寂しいので、つらつらと色々と書いてみますか。
散文
まずは1話から。空の章。
タイトルが全て。結果的に1番好きな話となりました。
タイトル回収とそこに至るまでの過程が本当に好き。結末を描き切らないのも見事。
「濃空」でDEEP SKYのタイトル。青から始まる物語。
舞台は宇宙。
宇宙って、なんとなーく、何処までも続く、果てなき自由を想像してたんだよね。
実際は異なる事を知っていても。動くためには推進力…が必要なんだよね。
この物語の主人公である兵機、「ゲルニートゥM9」は推進剤が無ければ何処に行く事も選択できない宇宙空間、黒い空に嘆き、同時に何処に行く事でも選択できる空、青い光だけが届く蒼穹に憧れを抱いている。
まず、この段階で非常に新鮮だった。
既に人間がいなくなって、地球も壊れて、私たちにとっての当たり前が何もかも変わった世界における、「空」の物語だったんですよ。
私にとっての当たり前(青空)と少しの憧れ(宇宙空間)が、彼?にとっては強い憧れと当たり前になってたんですよね。
機械と人間で立ち位置が違うだけでなく、憧れすら異なっていた訳だ。
作中では1話らしく大量の設定開示を行いながら、感情が無い筈の機兵ゲルニートゥM9の人間味溢れる独白と地の文で物語が進んで行く。
中盤程で作者様らしいミステリ要素込みの事件が発生。
その果てで切羽詰まった際の彼の独白こそが、「空を、自在に飛べたなら、と」
最後の飛翔シーンを書きたいが為に書いたと言われても違和感は感じない。
濃空、DEEP SKY。
濃い空って何?に対する最高の回答だった。タイトル通りとは恐れ入った。
その先に、青はあったのだろうか?
物語を通して、好い体験が出来たと思います。
ただ自由に歩ける事が少し嬉しくなったし。
続いて2話。
物語の起承転結含めて1番分かり易く、面白い話が2話じゃないでしょうか。
1話と違い、今度は閉ざされた中では自由に移動できる水槽の世界。
その世界背景の説明と突然の襲撃、圧倒的強者との戦闘、そしてネタバラシと結末。
殆どの人がそうだったと思うのですが、語り部の鮎01や相方のナノ1号ではなく、襲撃者のニクセが頭にのこっちゃってるんですよねぇ…
2話で1番不可解な挙動を振る舞い、かと思えば一貫した態度を貫き、最後まで人間らしさに執着した彼女。
人間らしく振舞う、無意味、虚しさ、生きる意味。
「4535」というのが憎い演出だと思うのですよね。
後、1番じゃないですか?どうしても意味を見出そうとしてしまう。
最後に、どうしてナノの1を逃がしたのか。
ここで逃がした事こそが人と機械の差ではないのかと、私は解釈しましたとさ。どっとはらい。
最期に3話!!!!
最も感想が浮かんでない!!!!
書けないものはしょうがないし書けない事が真実なのだからそれでいいじゃないかといじょうかいさんおつかれさまでした!!!!!!
人間に限りなく近づいた機械となれば、当然このテーマが出てくるよね。
愛、友人、母子。
その他にも心持ちなど、改めて考えてみると1、2話と比べて内面や心情といった人間だからこその要素がよりピックアップされてる話なのかも。
だから感想が浮かびにくいのかもね。
あくまでも彼らが機械である前提で体験を続けて、その体裁で感情…のような何かを綴ってきたから少しピンとこなかったのかもしれません。
我想う、故に我在りとかすっごい好きだけど。
赤ずきんの唄とかも好きだけど。
D27の最後のセリフ「運が良ければまたいつか。運がなくても、ありがとう」とか大大大好きだけどもね。
なんだかんだで、書けはしたな。書けは。
作品全体に若干ミステリ要素や叙述があったりしたのは、作者様の性なのだと思う。
もひとつ思ったのはやや特殊な文体。
これまた作者様の作品全体に言えるのですが、基本は整理された文章なのですよ。
しかし、所々や或いは特定箇所では目一杯に砕けた文章があったりする。
あとがきやりーどみーなどを見ると分かり易い。失礼な事を書くけど私の文章、特に散文なんかに近い。
間違いなく全く砕かずに物語を書けるだろう。それも面白い内容を。
でも…この会話文に近い砕けた文章は、やや温かみと親和性があるなぁと思うのですよね。
絵具で好き放題に塗りたくったヘタウマ抽象画みたいな?
この奇天烈とも言える組み合わせが「機兵という人間」を色濃く具現出来ていたのかもしれない。
遥かなる円形世界(体験版)
C106にて購入。TABINOMACHIさんの作品。
シロナガス島の帰還で有名ですね。
値段は500円。体験版の段階で元は取れる出来ではあるかと。
どでかいバナナクリームパフェみたいな作品。
ギミックが私好み。期待の持てる出来栄え。
詳細
約束された勝利のヒロイン、ねね子さんを有するシロナガス島の続編。
どんな出来栄えになろうとも、作者様がねね子さんを錬成済みな以上、彼女が動いてるなら満足してしまうだろうなぁと思いつつプレイ開始。
その内容は…絶対に飽きさせないぞという強い意志を感じましたね。
多くの登場人物と様々な構図のある絵も含めてガンガン展開を先に進めてくる。
情報の圧縮も上手く、ちょいと例を挙げると主人公の池田君と今作初登場?の助手である鯉さんとの一連の会話。
私たちは鯉さんの事は何1つ知らない中、肉の買い出し帰りの初登場…かと思いきや、公園の鳩をぶっ殺し晩飯の肉にしようとしていて、なんなら既に仕留めていた衝撃的なシーン。
一連の会話の最中、さりげなく彼女が元々森で生活していた事を開示しており、そして池田君の心情にて以下の文。
そういえば…鯉は自分の名前の中に入っている動物は共食いになるから食わないとか言ってたな。
あいつのフルネームは戌亥鯉だから、犬と猪と鯉は食べないってことになるのか?
どうせなら戌亥鯉鳥蛇蛙って名前だったら良かったのにな……
上手いなぁと心底思いました。
この短い文章で蛇や蛙なども隙あれば狩猟して夜飯にしたかしようとした事、彼女と池田君がそれなりに長い時間を過ごしてる事と彼女に苦労している事が分かるのですよ。
総じて作中の展開で個性豊かな人を動かし続け、強烈な物語でプレイヤーを惹いてる印象。そこに視点移動や時間移動のギミックまで仕込んでいる。
全体的に豪華に作られているし、あくまでも新キャラと新しい物語だが、過去作のキャラや設定もさりげなく再利用。中々気を使っているのが分かる。うん、良く出来てる。
楽しさを見出すというよりは楽しさを思う存分受け取る作品。どでかいバナナクリームパフェと例えた理由です。
たーだ、この造りは登場人物の心情の深掘りが難しい。実際殆ど無いのが最大の欠点かなぁ?
となれば「どうしてこのキャラはこの行動を取るのか?」がぼやけやすいのですが…そこは巧みな情報圧縮でカバーしてる。
事実その部分でぼやけた部分は殆ど無かった。
でも、私はは心情を追う方が好きだからね。
とはいえ1人称視点だから池田やねねちゃんの心情はそれなりに知れるのだけど、少し違うかな?
起伏の富んだ濃い物語を楽しむ作品と割り切るのが大事でしょう。
とはいえ、何よりも、アビゲイルでしょうねぇ…
全編通して彼女が面目躍如の大活躍。
今作の主人公兼ヒロイン兼シリアス担当兼コメディ担当兼語り部担当とありとあらゆる役をこなします。
兎に角、属性を盛る事に心血を注いでいる今作キャラの中でも異様な盛り具合で、
「前作キャラでオッドアイに再生能力に敵サイドからの裏切りに奇抜な服に特徴的なナイフ」
これだけでも説明不足な程には、枚挙に暇がない。
その上、数少ない心情の深掘りまでされる始末。
もしかして…今作ってアビーさんの為に作ったのか?と思った程。
前作のねね子に近い立ち位置で、製作者の「お前らはこんなキャラが好きなんだろ?」という意図が見えるのですが、抗えない。
仕方ないですよね。最期のナイフの戦闘、かっこよかったなぁ。。。。
現段階での欠点をある程度書いておきます。
まず、ザッピングシステムは意味をなしてない。
池田編は一段落(5章)まで行きますが、ねね子編は1章の途中で止まります。
ザッピングシステムは視点が変わる事で、物語の見え方や捉え方、情報が変わる事が醍醐味なのですが…その辺は何1つ機能してないですね…
もひとつシステム要素として、これは私の環境だけかもしれませんが池田編のタイムリープする瞬間にエラーが発生して先に進めない事があった。
対処方法としては一度ゲームを落として、もっかい起動すれば進めたんだけど。何が困るってリードミーに何処まで体験版として実装されているのかが書かれて無かったんですよ。
なまじねね子編が完全に途中終了してる(ずっとお姉ちゃんの立ち絵を表示してるだけ)ので、ここで終わりかぁと本気で思ったし。
作者様のTwitterやらboothの商品ページを見て、NY編は最後まであるって書いてたからじゃあ色々試してみるかで不具合を突破できたもの。
ここはやや、不親切かと。
後は…やはりタイムリープものだから、途中から死の絶望が減価していたのは否めないですね…
池田編の最期になると作中人物が明確に戻る事を前提に死に関して対応しているのは、、まぁ私の好みではない。
といっても正にタイムリープものの醍醐味でもありますし、一定の制限を掛けているので見せ方次第でどうとでもなる。
時間、視点、更には記憶まで操作可能な世界観。
ギミック・トリックがとんでもない傑作となり得るか、途中で力尽きてシステム要素が形骸化して終わる凡作となるか。
少なくともシロナガス島より興味をそそられる構造なのは間違いないです。
開発に時間がかかってる(よね?結構前からタイトルが仮題のままっぽいし)のも頷ける。
頑張って欲しい。
日進月歩
C106にて購入。プレイ時間は全視点をなぞるなら6時間とか。
何時でも視点変更可能なノベルゲーム。曰く「完全並行視点」。
試みからして意欲的。「視点」を丁寧に扱った作品。刺さる人には刺さると思う地の文。
しかし、肝心の完全並行視点を使いきってはいないと感じた。
詳細
ユキハラ創作企画さんの作品。
購入のきっかけは……はい。白状しますが、プトリカも入ってる。
まぁきっかけはなんでもいいでしょう。プレイしたという結果ですよ。
このゲームは男性のはやさ君、女性のめぐりさん、そしてどちらでもない観劇の3視点があります。
私の進め方としては観劇→はやさ→めぐりの順番で上から愚直に進めました。
このゲームのとんでもない点は「いつでも視点変更が可能」という事。
常に視点を変えれるという事は、文章の進め方も同じにする必要がある。
そんなもん無理だろと思っていたのですが、、、めぐりとはやさが殆ど一緒にいた事。
結果としてADVの8割以上が共通する会話を使用していたので、問題なかったといった具合。(だとしても相当に大変だったと思うけど)
だから観劇の段階で結末は当然として、彼らが語る情報の殆どを把握していた事になるんですよ。
だって殆どが会話で構成されていたという事は、視点変更の醍醐味と言える思想を覗く機会が決して多くないですから。
観劇編が終わってはやさ編を始めるにあたって、「大体感じる内容は同じだろうな」と思ってました。
恐ろしく、感じる印象の…新鮮味が違っていました。
理由として考えられるのは観劇では画面に2人がいるが、彼らの視点では当然1人しかいない立ち絵は当然として、テキストウィンドウの差だと思ってます。
見ての通りで狭いのですよね。だからか、観劇では全体像を捉えれたのに対して視点では細かい小物や言葉使いに気が回る。
合計3周した事になるのですが、周回の度に気づくことが色々ある事に驚いた。
そんなに適当に読んでた訳ではなかった筈なのにな。
視点が変わるって事は、私が思っていた以上にもっともっと様々な物事から変わってくるのだと実感しましたね。
このゲームをプレイした最大の収穫だと思う。
システムとしてはSEにキャリーバックの動かす音や船の汽笛を使ってるのは雰囲気があってよかった。総じて丁寧に作られてる。
EDの後のタイトル画面は最高。このタイミングで主題歌ってのも解ってる、素晴らしい。
視点を意識した1枚絵も大好きです。最後の夜の足元のみを描いたCGが1番のお気に入り。
シナリオは、静かな展開ながらも互いに語り合う姿は良いですね。
たった2日間、会った時間なら1日半程なのかな?
その短い時間の中で旅の恥はなんとやらととドンドン話していく。深めていく。理解していく。
面白いなと思ったのは、彼らの視点による回想によって始めて手に入る情報ってのが少ないながらも当然あったんですよね。
だから、沢山の自分を互いにさらけ出した彼らでしたけど、決して全ての情報を開示した訳では無い。
そして視点の中で入手できた情報は、彼らを理解する上での重要なピースの1つなんですよ。
そう考えたのなら、プレイヤーである私は彼らよりも彼らの対面相手の事を理解出来ている…理屈ではその筈だ。
出来てた気がまるでしない。当然だけど人を理解するって、情報の量ではない。
総じて良い意味で観客の私たちを置いていった、等身大の会話で構成された物語なんですよ。
冷静に考えると1日半ですよ?たったそれだけの時間で2人は変わったのですよ?
でもそう思わせる会話群だったのは間違いない。
現実でもこんな事があるかもしれない。ロマンがある。
散文
そんなロマン繋がりではないけど、作中で1番好きなシーンが2人のロマン談義です。
はやさくんにとってのロマンは遠くを一緒に見る。重なったら気分がいいだろうなと。
なんというか、模範解答。なるほどそうだよねと聞いていた。
それに対するめぐりさんの回答が、「ちょっと怖い」
ロマンまで重なったら、小さくなってしまうと。ロマンなのにと。
誰かのロマンが自分と違ってくれた方が、夢が大きく映ってくれる気がすると。
もし、共有出来るなら、重なりが少ないほうが最後には大きくなると。
これは誰かを「支えて、あげる」がモットーのめぐりさんらしい答えだったりするのですが、実は全く関係ない散文を書いていました。
ロマン問答…いいですねぇ、いいね
大きく出来ない可能性が、怖い。
あーなるほど?
理想が重なってると、相手を小さくしてしまうのが、怖い。
理想が重なる、、、、はぁ。なるほどな。
それこそ「貴方が好い」になるのか。
そりゃあ、誰かの作品を好きになるってのは、その作風を好きになる事だ。
つまり、次回作でも同様の作風を、その理想を期待する。そしてその理想に縛られて評価する。
なんなら作者さんもその作風に縛られるかもしれない。理想が重なり過ぎると、そうか。小さくなるんだ。
それは…怖い、な。
散文の中に散文を入れていく。
全く関係ないけど、変な視点でめぐりさんに共感してましたね。
それこそ私と彼女の違う速度が交わった瞬間だったのかもしれません。
いい感じに纏まったな。そう思おう。
好きなセリフはめぐりさんのふとした会話文より。
「あぁ…重み、だね。うん、重さじゃない」
このゲームで1番好きなセリフ。
たった1文字の違いで意味は同じなのに、どうしてここまで響きが異なるのか。言葉って、すごい。
見直してみるとめぐりさんばっかりだな。どちらかと言えばはやさくんに共感していた筈なのに。
欠点として浮かぶのは、肝心の視点変更の意味合いが薄い事。
8割以上が会話、つまり共通しているので視点変更をしても新情報は殆ど無い。
それでも差がある事に私は驚き評価しましたが、欠点っちゃ欠点でしょう。
実際、この非常に難しい視点変更を活かしたとんでもないギミックを期待していた私もいたので。
その私からすると、やや肩透かし。
後は、、物語としての起伏はイマイチ。最大の問題点。
彼らにとっては人生のターニングポイントだった訳ですが、物語としては非常に静か。
会話が多く、思想が少ない。
その少ない思想も当然だけど彼らの思考だからか、主観でぐちゃぐちゃに考えを纏めている道程が多い。ここから情報を引き出すのは中々に難しい。
把握は出来た。理解はそれなりに。
でも共感、にまで至れない。体験、にまで至れなかった。
言ってしまえば私は最後まで観客だったのかもしれない。そこが不満なんだろう。
視点があるのですから、体験させて欲しかったなって。
これは描写じゃなくて、思考が見たい私の好みの問題でもある。
それでも物語の起伏が乏しいのは事実でしょう。
結局、最後の2人の会話なのではないかと。
読んだ人の「お守り」程度になりたかったんだと思う。視点変更も含めて、プレイした殆どの人が何かを考える作品だと思うから。
だったら、少なくとも私には、成功したんじゃないかな。
私にとって言葉を残してくれた物語世界にはなったと思う。
北極光(体験版)
C106で購入。
実は購入動機はあまり覚えてないのだが、何か理由があって買った筈。
その点は過去の私を信用できる。
とんでもなくざっくり特徴を書いてしまうと、fateを頭に浮かべればいい。
しかし、戦闘シーンに関しては恐ろしい割り切り方をしている。
詳細
1990年代を舞台とした魔術を絡めたADV。
画面中央に文字を載せるスタイル含めてfateを頭に浮かべると分かり易いかと。文章で勝負してきてる。
体験版では舞台背景の説明が主軸だったので起伏が乏しい展開でしたが、意外とすらすらと読めた。
基本情報を伏せたまま進行するので、それが見たくて読み進めた部分はある。
全体を通して、緩やか。BGMも含めて。文が丁寧でゆっくりと導入している。
都会の喧騒から離れた閉鎖的だが落ち着く感じ。好い雰囲気を出してる。
最近のADVはつい猛毒を求めてしまうユーザーに応えているケースが多いが、導入は丁寧なのが1番好いかもしれないです。
だからこそ2クリックで爆発とか物騒な欲求を私は持っているのですけどね。
散文
魔術の設定は独自のもので結構練られている。時間の件と上手く他要素と噛み合ってたのが良い。
主人公の衿子さんは基本的に斜に構えた閉鎖的思考の方なのですが、その癖水泳部でバリバリ記録出してたり、ガールズバンドしてたりと溌剌と排他が融和したような性格。
意外と初めてに近い在り様でしたので、もっと展開が動いた時の彼女は見てみたいですね。
現状、排他ばっかり目立ってて溌剌としている部分は設定としか見えてないので、シナリオに絡めて欲しい。
その排他的な思想を読むのが、又楽しみ方の1つなのは間違いないのですが。
「人はみんな生まれながらに遠視なんだ」
とかね。完全に私の好物なんよ。
といっても、それだと他でもちょこちょこ見るキャラデザイン。
やはり、そこに溌剌をブレンドした心情や思想が見たいね。見れるかもしれない。
特筆すべきは魔術を用いた戦闘シーン。
どうしても演出が求められるので……難しいのでは?と考えながら読んでたのですが、そのシーンは黒背景に文章のみ。
つまり、戦闘描写は殆ど文字だけで書いてしまうという、恐ろしい判断を下してる。
恐ろしい判断だが、、、非常に理にかなってます。
下手な演出で白けさせるなら、いっそ文章だけでプレイヤーの想像委ねる。
だけど、重要な部分だけは1枚絵を使用する。
苦肉の策だったんだろうけど演出多様で作るのは難しいと、自己分析出来ているからこそ下せた判断でしょう。
いや、良いと思う。寧ろ感心した。なんなら1番の評価点かもしれない。
気になったのは「、~」という記述。
作中から抜粋すると
「、うん、おはよ」
初めて見た時は誤字か?思ったのですが、どうも意図的にこの「、」入れており、他でもそれなりに出てくる。
印象としては…一呼吸置いてるニュアンスは伝わる。
恐らくそのような意味合いでの記述方法なのでしょうが、違和感が先行してあまり馴染まなかったな。
後、演出を用いたコミカル要素はつまらなかったです。演出抜きで彼らが彼らとして話してる時の方が面白かった。という事は、彼らそのものが面白いのだから下手な事をしないで彼らを見せて欲しい。
製品版は買うかなぁ。戦闘シーンの割り切りを見ても結構期待出来ると思ってる。
単純に衿子さんの思想や挙動が見たいってだけもあるかな。
彼女、冒頭の描写では基底核が損傷してる印象を受けたけど。どんな過去を背負ってるのでしょうね。
キミとアイドルプリキュア♪(30話まで)
去年同様、友人に勧められたので一気見。
一気見する価値があるかと言われると…難しいですが、なんやかんやで10話くらいからは楽しく視聴できたのは書いておきます。
17話がピークなのは間違いない。後述する映画を見る為には30話まで見る必要がある。
詳細
みんな大好きプリキュアシリーズの現行作。
前作のわんだふるぷりきゅあをそれなりに楽しんだので、こちらも継続で視聴したのですが、、、つまんなかったので3話で切った。
そのままプリキュアとは縁が切れるかと思ったのですが、数少ない友人が「面白いから17話まで見てくれ!!」と言ったので、強行視聴を行いました。
(念押しで全ての創作物と比較してそれでも面白いと言えるか?と意地悪な問いをしたのですが、面白いと断言されたので。ここまで言われたら見るしかないじゃないですか)
非常にテンポの速いプリキュア(比較対象が恐らくシリーズで最もテンポの遅いわんだふるぷりきゅあしかないんだけど)
いや、速い。本当に速い。展開も描写もサクサクで速い。
なんなら各キャラの発言も若干速い気がする。
特に1話から5話くらいまでは展開も含めて異様な程。
4クールあるだろ?何を急いでいるの?と何度思ったか分からない。
BPM200超えの曲を聴いてる感覚に近い。
これだけテンポが速いのに、作品としての内容は破綻してなくまとめ上げているのが、1番の評価点かもしれない。
しかし、テンポを速く展開を加速させているという事は、丁寧に描く描写や間を犠牲にしているという事でもあります。
この問題点が表出していたのがそれこそ1話から5話です。
殆ど内情の描写無しでプリキュアになり、アイドルデビューし、新しいプリキュアを仲間にし、イケメン俳優が登場し、マネージャーが合流する。
怒涛の展開です。その内容に対して主人公のうたさんは恐ろしく適応し対応します。3話で仲間となったななさんも同様。
ついていけなかったんですよね。
まるでベルトコンベアに乗ったかのように自動で先の展開に進んでいる感じで。
うたさんとかアイドルになるために生まれた怪物にしか見えなかったし。3話で切ったのも無理ないと思う。
この展開を変えてくれたのが6,7話、3人目のプリキュアである紫雨こころさんの参戦話です。
要は、共感出来たってだけなのですけどね。
これまでの2人の変身迄の過程と比較すると丁寧だったんですよ。
一般人が超常の怪物と戦う姿を見たら、先ずは恐怖するだろって展開をこころちゃんは実践してくれた。
それでも好きだという気持ちは抑えられないから、プリキュアとして戦ってでも2人とアイドルしたいって理由もまぁ分かるしな。
よくよく考えると彼女の境遇も重要だったかもしれない。
6話の冒頭部分からダンスの練習している姿、普通の家庭に住んでる姿(既にプリキュアになってるうたとななは普通の家庭…ではないからね)、1ファンとしてコンテンツを応援している姿。
わたしや大多数の視聴者と似た境遇だと思うんですよ。
それが共感の向上に繋がってはいたと思う。
かくして、「共感できるキャラ」を出してくれたアイドルプリキュアは、以降の8話からは展開をペースダウンしキャラの掘り下げを開始。
漸く各キャラの中身が見え始めたので、私としても楽しく視聴が出来るようになった。
そして仕上げに16話分の積み重ねと次回予告すら囮に使って、瞬間最大風速なら他作品と比較しても勝てる話は少ないであろう17話を放送。
その内容に、私は友人に敗北のメッセージを送りましたとさ。
若干ライブ感による高評価もあるだろうが、、、この話を評価できない人間にはなりたくないね。
あの場面で即答したプリルンと、惚れた相手を立てたメロロンに心動かされたのは間違いないのです。
特にプリルンには惚れ込みに惚れ込んだといっていい。
以降の話でも面倒を引き起こすのですが、「17話であれだけの偉業を成し遂げたのだから大目に見るか」と考えるようになってしまった。
しかし、30話。
この話は17話並みのターニングポイントの1つなのですが、大変よろしくなかった。
視聴中の書き殴り
いやいやいやいや。流石におっかしいだろ??
メロロンの願いはしっくりくるよ?納得しかない。
納得しか無いのが問題なんだよな。
だって、最も大事な要素を失う代償を払う事で願いが叶うハートキラリロックの前後でメロロンに差異は殆ど無い。プリルンに対する態度は恐ろしく一貫してた。
だからこそ、彼女の大切なものは1番好きなねぇたまだけで無い…それ以上の「何か」なのでは無いか?と期待させてきた訳じゃん?
プリルン大好き、だけで表せてしまうメロロンを深める鍵だった訳やん?
なんで願いがプリルンと一緒にいられないなんだよ…そんな態度ハートキラリロック後におくびにも出してなかったやん。
女王様が隠すほどの内容か…?
いや、人?の感情を好き放題喋るのは不届きだとしてもさぁ。
みんなと一緒にいたいが本当の願いだった、というフォローはやや入ってるけど…うーん、満足はしないな
うたさんの新曲から想いと絆の力で呪いが解けそうになってる。
いや、どうだろ?そもそもハートキラリロックの願いの代償が踏み倒され過ぎではないだろうか?
それが悪いとは言わない。
言わないが、、プリルン達は17話で自分達の1番大事な物を封印する代償を払ってプリキュア達を助ける力を手に入れた。
その重い代償に対しての即断と一途な尊重に胸打たれたのよ?私は
何かを渡して、何かを手に入れる。誰もが納得する基本だ。
その基本を踏み倒すなら、それ相応を超える其れこそ奇跡が必要だと思ってる。
プリルン記憶復活は大量の下地もあったし良いかぁとは思ったが、、、
代償の無い奇跡でもいいけども。
プリキュアは小さいお子さん方が見るアニメだ。
人を想い労った感応の先に奇跡があっても良い。
でも、事前にハートキラリロックという代償ある奇跡で物語を盛り上げられたので、どうしても代償無しでは安っぽく見えてしまうな。
信じて奇跡が起きるなら、この現実に此処まで不幸は蔓延らない。
信じて奇跡が起きる世界が見たいけど。だからプリキュアを見てる人もいると思うけど。
ハートキラリロックで奇跡を天秤にかけてしまった。
このプリキュア世界とと現実が同じであると、地続きであると示唆してしまった。
だからこそ、普通じゃ選択出来ない事を選択出来たプリルンとメロロンに心揺り動かされたんじゃないか?
それこそ願いで奇跡が起き易い?プリキュア世界での代償だしさ。ある意味現実より重かった訳だ。
それを踏み倒されて、私は戸惑ってると。
後、ウィーアー君とアイドルプリキュア!!も宜しくない。
タイトル回収の為に言わされてる感を拭えない。私は満足できなかった。「君と」は自然に出るとは思い難い。
メロロン報われて良かったねとは思う、以上
ここでかなりアイドルプリキュアという作品を見限ったと言っていい。
そんな状態で下記の映画に行った訳です。映画編につづく。
余談
31話でメロロン合流も含めた全員のやりたい放題な日常会話を見て「30話の失望は事実やが、まいっか!!キラッキランラン!!!」とか言い出したことは書いときます。
とはいえ、31話以降はあまり理屈で考えずに…つまりは一定以上見限り、開き直って視聴をしていたかなぁ。
映画 映画キミとアイドルプリキュア♪ お待たせ!キミに届けるキラッキライブ!
去年同様、友人と見に行きました。
このまま毎年の恒例行事になるのは避けたいのですが、今作の出来栄えを考慮すると「もしかしたら」の可能性が出てきてしまった。恐らく恒例行事になるでしょう。。。。
視聴における前提条件が非常に厳しい。
(アイドルプリキュア30話、わんだふるぷりきゅあ全話。広がるスカイプリキュアは可能であれば視聴を推奨。(私は未視聴だったが問題はなかった)
減らすとしても…アイドルプリキュアは素直に30話、わんだふるぷりきゅあは…40話付近まで?
だったら全話見ろよってなるよなぁ)
ですが、映画構造の1点に注目する事のみ意識で、初見視聴なんかもいいかもしれない。
71分間。目を離せなかった。
詳細
実は乗り気では無かったが本音だった。
本編は最悪の印象で終了してたし。40000歩程歩いたらしい万博の翌日でしたし。
それにプリキュアの映画にはいい思い出が無いのですよ。
プリキュアとの付き合いは去年のアマゾンプライムで見たオールスター映画から。
その内容は全キャラを出す事だけで手一杯なのが伝わる場当たりグダグダな展開。
前年度に見た劇場版わんだふるぷりきゅあは、伝えたい事は分かるのですが…キャラの行動の幾つかにどうしても納得がいかなくて不満で終了。
となると今作の期待値も低くなる訳で。
しっかりとしたメッセージを蛇足気味に引き延ばしたシナリオに、過去作キャラを添えて届けてくるのだろうな、と考えました。
1つとして、無駄な描写が無い。
完璧な「プリキュア映画」が目の前に広がっていた。
完璧、としか書けない。
頑張って欠点を…作品の後半からは何処かに問題点は無いかと必死に探したんだよ。
探したのですが、、無いのだから仕方ないじゃないですか?
初めに、「映画」として評価するなら問題点が出てきます。
上映時間が71分とやや短く、その短い時間の中で変身シーンなど時間を喰う演出が多々あるからです。
そんなものを映す暇があるならキャラの心情や物語を描写すべきだ。
しかし、この作品は「プリキュア映画」なんですよ。
プリキュア映画は今作を含めて3作品しか見てませんが、変身シーンや各種バンクを出すという暗黙の了解、所謂お約束があります。
これらを大画面で見る事が求められているのは間違いありません。
プリキュアに変身シーンは絶対に必要。
そこを問題点とするのは反則でしょう。
普段の変身を大画面、大音響の映画で見たいと足を運んだ方々だって少ない無い筈ですから。
(事実として私が初めて見た歴代プリキュアが全登場するオールスター作品は、全プリキュアの変身シーンと活躍の描写を優先するあまり、シナリオ性は破綻している。なのですが、どっかで参考にした評価サイトにて1番評価が高かった。)
今作もその都合上、各キャラの変身シーンやライブシーンが沢山出てきます。
そのボリュームはとんでもなく
・冒頭にOPライブ
・全員のフル変身
・全員の必殺技
・うたメロロンのみ変身
・旧必殺ライブ2種類
・全員の単独ライブに現行必殺
・更には他2作品の簡易とはいえプリキュア変身
・最後に主題歌ライブ+サプライズライブ
どんだけあんだよ!!多すぎるよ!!!
最新の専用バンクは当然として、過去に使用されていた各キャラの専用バンクまで使っていた。
あまり気にしていない私ですら大満足でしたから、大体の人が満足したと考えていい。
しかし、こんな事をすれば当然と言えば当然ですが、シナリオに割く尺が足りません。
その典型例が前述した全プリキュアが登場するオールスターでしょう。
じゃあ尺を増やせと言いたいですが、そんな簡単な事じゃない事は分かってる。
でも、私はプリキュア変身集を見に来てる訳ではない。映画を見に来てるのです。
だから、映像だけでなくシナリオも評価する。というかシナリオで評価する。
出来ないと分かっている事を、それでも求めてプリキュア映画を見に行ったと。
意地悪ですよね。
そんな気持ちを抱えていたのだから、そりゃあ映画を見るのに乗り気では無かっただろうね。
それだけ時間を削られる要素を盛り込んでいる筈なのに、シナリオとしての破綻や歪み、違和感は殆ど無かった。
限られた時間で大量の情報と工夫を詰め込んでいるからでしょう。
例えば
例を挙げると開始早々。
いつものOPをアイドルプリキュアが会場で歌うシーンから始まる。
その会場は空の会場であり、キャラがオーディオインターフェースを弄る姿からリハーサル中と何となく分かる。
周りにはリズムに合わせて指で肘を叩くタナカーンとやや人外な見た目の映画キャラ達。
更には映画メインキャラのテラちゃんまで映しているのだから。
ただOPを流すだけでは尺が足りないと分かっているからの英断ですね。
メインの展開の背景でキャラを動かしたり、伏線や先の展開を流してくるのも特徴です。
テラちゃんがヤミクラゲに攫われるシーンが分かり易い。
戦闘終了後、彼女がアップ時その背景でヤミクラゲの触手を伸ばして、暗転。
一連の流れを島の少女が見ていた事にして、先の展開に進ませてました。
最終戦にてうたさん単独ライブの流れでは「此処から単独ライブを全員やるのか!?」と尺的な意味で戦慄したのですが、、、
蓋を開けると、全員やるけどやってる間にも戦闘は続けるRPGでのバフに近い役割にしたのも見事。2人1組のズキュンキッスのライブ尺は、他の1人と比較して長かったのも良く考えてるなぁと感心してた。
大体こんな感想を考え、頷きながら視聴してました。間違いなく変人。
そんな今作のテーマは、何だったのか?何を伝えたかったのだろうか?
色々と考えたのですが、「主題歌そのもの」ではないかと思っています。
散文
今作のテーマも本編同様に、アイドルと推しとの関係性であるのは間違いない。
なのですが、そこから1歩踏み出したテーマも取り扱っており、人によって変わってくると思うのですが…
「出会いの喜びに対する別れの悲しみ」、そこへの回答こそが1番伝えたい事だと私は解釈した。
そう考えた理由としては、女神アマスと昭和アイドルの関係とその先の結末にある。
彼女たちは偶然出会い、その後の過程を通してアイドルと推しとの関係性を築いた。
何ならそれ以上の関係性だっただろう。言うなれば、共通の目標を持つ友人。
アイドルはファンに生き甲斐や希望を与えるし、アマスは神として住人を保護し助ける。
書き出したら更にごちゃごちゃしたから省略するけど、似てるのは間違いない。
特にアマスなんかは島での共通の仲間は存在し得なかったから、昭和アイドルの生き方に自分を重ねた部分はあったと思う。
しかし、彼女達には寿命の差があったので別れざるを得なかった。
その幸福が唯一無二だったからこそ、無くなった時の悲嘆を埋めるのは大変難しい。
案の定、埋めきる事が出来ずヤミクラゲに付け込まれて暴走。
結果として、こんなに哀しい気持ちになるなら出会いがなければいい理論を元に暴れ始めたってのが映画本編のおはなし。
そこに我らがアイドルプリキュアや歴代が「覚えている限り無くなる事は無い」とアマスの分身のテラとライブなどを通して伝えてハッピーエンド。
いつか別れがあるとしても、出会わなくては喜びはない。覚えている限り無くなる事はない、と映画の内容を通じて伝えてくれました。
でも、この辺をテーマにした作品や短編は数多くあるので、普通に良いけど他でもいいよね?という気持ちが無かった訳でもない。
このテーマを扱った作品として優れてはいたとは思うし、永遠と書き続けるけど「プリキュア映画」の枠組内でよくここまで作れたなぁとは絶賛してたけどね。
とはいえ、視聴敷居が高いという問題があるので、だったら他作品で代用する方がいいかなぁという考えがありました。
例えば前提知識不要で見れる120分程の名作映画とか?時間を取り扱った作品ならいけるんじゃないかな?
状況が変わったのは、視聴後1,2週間経過。
映画内容が間違いなく薄れている中で、主題歌だけは頭に残り続けている事に気が付いた。
この主題歌なのですが、一般の映画でよくある冒頭のみで流れる曲とは少し趣向が異なっている。
作品の中で主人公のうたちゃんが島の光景からフレーズを閃き、アイドル嫌いのテラちゃんに対して作詞を乗せて贈った曲。
いわば、実際の映画のシナリオで作成された曲となっている。まぁアイドルとか歌をテーマにした作品なら鉄板といえば鉄板の手法の1つ。
当然、作品に対して直結した内容となっており、特に「100年、1000年、時を超えても 心は繋がっている」というフレーズは、文字通り1000年後のテラちゃんに向けたメッセージとなっている。
つまり、この曲無しでは作品として成り立たない。
この作品のテーマや伝えたい事などを考えると、自然と結びついてくる主題歌となっている。
故に、この作品のテーマや伝えたかった事は主題歌そのものとした。
事実として主題歌内容は気合の入った内容となっていまして、通常のライブ仕様の主題歌だけでな、うた専用のソロバージョンが存在したりもする。
同時に主題歌そのものがテーマでメッセージ性であると考えるのであれば、この作品は代用の難しい唯一無二に成り得るポテンシャルを秘めていると思う。
主題歌のメロディを通して、フレーズも頭に残り続けるんですよ。更に主題歌と映画内容が融和している関係上、映画内容も残り続ける。
それこそ100年、1000年、時を超えても残り続けるのではないか?
音楽には単独でもそれだけの力があるのは周知の事実ですし、しかもこの主題歌には音楽だけでなく映画のシナリオや映像内容もセットで付いてくる。
少なくとも、2026年では聴いてるし覚えてる。ブルーレイも買ってしまった。
1番好きなシーンは、テラちゃんへの主人公うたちゃんの主題歌披露。
映画オリジナルキャラのテラちゃんは、アイドル嫌いの設定がある。
つまりこの映画の短い時間で嫌いを好きにする必要があるんですよね。
さぁ、難題だ。
だって嫌いと好きなんて、理由を詰め込めば表現出来る事では無い。
手法として思いつく方法としてはテラちゃんにアイドルを明確に嫌う理由があれば、それを逆転させれば出来なくは無いかなとは思いつきましたかね。
(例えばアイドルに親を殺されたと思い込んでいたが、実際はアイドルが親を助けようとしたと判明するとか?)
でもテラちゃんのアイドル嫌いは、「何となく」
(後の設定を考えると、アマスが無意識に思っていた反射的な拒絶だろうとは思う)
唯の好きになったの情報だけでは納得できない。必要なのは、説得力。それも特に理由も無く嫌いなものを好きにさせるだけの。
それを見せられるのか?見せてくれるのか?
と思っていた答えが、うたちゃんの主題歌披露です。
キラッキランランな星空の下、テラちゃんの前で主題歌を披露する。
歌詞に合せた動き、背景が雲掛かった暗闇から光が差すまで。
たったそれだけ。理屈なんてない、急に歌い出しただけ。
どこまでもテラちゃんだけを見て、彼女を想い、歌っただけの単独ライブ。
歌い終え、手を差し伸べて、それを受け取るテラちゃん。
この一連の描写にテラちゃんがアイドルに惚れ込むまでの説得力が詰まっていたのが、本当に本当に好きです。
100の情報に勝る1のライブ。
歌や音楽には理屈を超える力があると思い知らされました。(今思えば作品のテーマが主題歌そのものとか言い出す土壌はこの段階からあったんだな)
曲に演出とどれも素晴らしかったですが、MVPがうたの声優さんなのは間違いない。
過去作のプリキュアの扱いも素晴らしかったと思う。
(といいましても私はわんだふるぷりきゅあしか見てないのですが)
この映画の視聴前、私が最も懸念していたのが、わんだふるぷりきゅあの扱い。
彼女達は極力戦わずに暴力では無く対話で訴えるプリキュアですからね。
その在り方は他のプリキュア作品と比較すると異端らしいので、、もしかすると。
もしかすると、暴力に訴えるのでは?といった懸念です。
別に暴力が悪いと言ってる訳では決して無い。
だとしても、彼女達が訴えた場合は即座に0点。
過激派わんぷりファンの私なら、間違いなくその判断を下したでしょう。
彼女達が本格参戦したのが終盤。
最早、ワクワクを通りこして不安一杯で見守っていました。
いつもの謎セリフ発するニャミー、怖くない怖くないと訴え語るリリアン。
君の声を聴かせてとフレンディ。只々、わんだふるなワンダフル。
あぁ、いつもの光景だと一安心。
そこで、終わりだと。
あくまでも彼女たちの役割は、アイドル達への繋ぎだと思っていたのに。
最後の最後。
アマスだけでなく、テラちゃんすら悲嘆する。
出会った時は楽しくても、いつか別れがあるなら。
出会わなければよいのではないかと。
そこに、そんなことはないと。
出会った事には意味がある。楽しかった事、嬉しかった事は無くならないと。
テラ達と同じく寿命の違いを持っている。
その場の誰よりも種族の違いと向き合っている。
他ならないわんだふるぷりきゅあ達が発したからこそ、私には何処までも響いた。
実質的な登場時間は5分に満たないし、この作品の主役はアイドル達だけど。
あの瞬間だけは、キラッキランランではなく、わんだふるだった。
たった5分の登場に50話分の根拠とその結論を使うのはズルいだろ…
この作品を超えるプリキュア性のある作品は沢山あるでしょうし、メッセージ性の説得力で超えてくる作品も結構浮かぶ。
でも、プリキュア映画の枠組でここまでメッセージ性も込めきれた作品はあるのだろうか。
いわばトレードオフの関係なのだから、何処かで妥協する道を模索するのが模範解答の筈だ。
妥協はあったとは思うのですが、其処から諦念したのではなく、いっそ執念に変えて作り上げたのではとすら感じてしまう。
ここまで感想を積み重ねてきた理由と1番の評価点がこの視点なんですよ。
何処までも「プリキュア映画」である事を追求しながら、「メッセージ性」を伝える努力も惜しまない。
1つ1つの描写に意味を込め、必死に伝えていたと思う。
限界まで引き算を行い、必要な要素を残し、伝えたいことを最大限に伝えていた。
一体何処にケチをつければいいのでしょうか?
まさか「タイトルのおまたせ!って何を待たせてるんだよ」って意地悪な疑問にすら応えてくれるとは思いませんでした。
うたの「おまたせ」で限界だった。
泣いてしまった。大満足です。
蛇足
それでも、欠点を羅列する。
・視聴の敷居が高い
最大の問題点。
この映画を最大限に楽しむには、アイドルプリキュアを30話まで。
わんだふるぷりきゅあを最終話(50話)まで。
広がるスカイも可能であれば最終話まで見る必要がある。(友人曰く、スカイは最悪不要ではあるとは言ってくれた)
これだけ視聴して漸く見出せる良さがあるのは事実ですが、酷い事を書きますがメッセージ性だけなら他でも代用は可能。(主題歌を唯一無二と評価しましたが、メッセージ性のみなら他でも問題ないと判断してる)
この映画を視聴する為だけに、そこまでしないといけないのか?と言われると…
この辺の背景を考えると、普段娘さんが視聴してるからついでに視聴していた親御さん達に1番刺さった内容かもしれないですね。
・本編の要素を削っている
今作はプリキュア映画とメッセージ性を限りなく共存させた作品だと思います。
その代償にアイドルプリキュア本編の幾つかか削っている。
具体的にはチョッキリ団や一般人との人間関係など。
辛うじてカイト君は出てきたけど、本当に出てきただけ。
(余談だけど、カイト君が舞台外でほんの少ししか登場しなかった理由はうたのアイドル性保持があると思う。うた自身はアイドルになる為に生まれてきたようなキャラなんだけど、カイト君というレジェンドアイドルの前では一介の少女に戻ってしまう時がある。今作のうたの立ち位置を考えると、少女に戻してる暇がないからね)
アイドルプリキュアの映画として見るなら残念に思った人はいると思うので。
・うた以外のアイドルプリキュアの心情描写は皆無に近い。
うたのアイドルとしての側面をピックアップした作品なので必然的に。
各キャラらしさは背景描写で出してはいる(戦闘中のうたの単独ライブで合いの手を出すこころとか)ので、短い中で頑張ったと言う意味では高評価だけどね。
うたと映画オリジナルキャラ以外は心情描写皆無に近い。
その為、原作キャラに関しては「そのキャラがその行動をするのはそのキャラだからだ」と思えるほどに本編で咀嚼しておく必要がある。
・視聴前にうたの事を「アイドルの化物」と認識しておかなければならない。
こちらも本編で自分達なりに咀嚼しておく必要がある。
何故、彼女がアイドルなのか?とか、アイドルになるきっかけとか、そのルーツみたいなのは今作では対象外。
あらゆる場面で彼女がアイドルとして機能する事を前提にしないといけない。
昭和アイドルの外見がうたに似ているのもそれを狙っている筈。
・タイムスリップ関連など
不思議な世界が舞台だから、ある程度何が起きても不思議な世界だから、で納得する必要がある。
ここにエビデンスを求めすぎると厳しい目で見てしまうでしょう。
特にうた達が1000年前にタイムスリップする前から女神石像やテラちゃんが存在する理由を追求し始めると不味い。
・丁寧な説明は少ない。(理解に重要は情報は回想でレコメンドはされる)
作品をしっかり見る事は前提。そこに加えて察する必要がある。
例えば昭和アイドルの手記のボロボロ具合から彼女のアマスへの想いの深さを汲み取ったり、テラの性格の形成は、闇堕ち前で昭和アイドル失踪に打ちひしがれているアマスが元になってるとか、この事を元にアマスの実情を推察したりとか。
好きな部分も羅列する。
・無音描写も良い。
アイドルプリキュアってアイドル、つまり派手な映像やアガる音源がメインだから毎週ドンドンパフパフしてるんよね。
これはコレで思考停止気味でも楽しめて毎週のコンテンツとしては良いんだけど、深みは出ない。
常に鳴らし続けるのでは無く、時折止まるから。無音があるからこそ、派手な音がより光る。
本編では皆無と言っていもいい無音演出だが、映画でのテラちゃんとの邂逅関連では無音演出を採用しており、この無音があったから、、、、例の主題歌披露が印象に残ったと思う。
やや時間を喰うこの演出を、限られた時間の中で使ってきたのは高評価。
・本編では見れない組み合わせが見れた
うたちゃんとメロロン、ななにこころとプリルンと普段とは違う組み合わせの掛け合いを見れたのは満足。
過去世界に飛ばされる前にメロロンがうたちゃんをかばおうと近づいたから2人が揃ったと考えると更に満足。
・昭和アイドルの情報開示全般
まず昭和アイドル回想では画面比率を4:3にしてるのが良い。彼女の背景を不必要に出さなかったのも高評価。
・その他
・未来世界の危機に対してスカイプリキュアの「なんとか収めた」の1言で解決させたのは、1周回って前作勇者みたいなポジションの前作品へのリスペクトがある。
実際、アイドルやわんだふる勢を遥かに超える戦闘描写だった。
・総じて、キャラの動きに違和感が無かったのが高評価につながってる気がする。少しでも不和が有れば怒るし…
・主題歌の「100年、1000年」は最期のライブでのみ使用しているのが細かい。細部に拘りを感じる。
・最後のライブでテラちゃんが控えめにペンライト擬きを出すのはキラッキランラン。
・3方向からプリキュアが集結する通常OPリスペクトのライブは良い。そこからスタッフロールと何1つ無駄がない。
・EDの各種1枚絵は最上級。ミニチュアアイドルのライブを背の小さいペット形態達がのぞき込む絵は、この為に用意したのかと驚嘆した。
・最後の最後。各キャラのわちゃわちゃした掛け合いと撤収は大大大好き。ファンサービスを忘れてない。
・ぐちゃぐちゃ書いたけど、結局は主題歌に惚れ込んだだけかもしれない。うたのソロ主題歌は好きだけど、ライブ主題歌も好きだ。ただ聴いてるだけでもいいけど、映像込みで見直したい。
・幾つかの無念
・昭和アイドルの手記の内容が一瞬だから把握出来なかった。映画2回見たんだけど…
・あの花ぁ!!白くて、トランペット、6枚の花弁、中央が黄色、茎が斜め下を向いてる花ぁ!!
あの花の品種を知りたい。花言葉を知りたい。絶対意味がある筈。
